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TBSテレビ「報道特集」に出演中の筆者
TBSテレビ「報道特集」に出演中の筆者
著者は、JALの粉飾決算に着いて言及。JALの更生の方向性を示唆『結局最後は国が丸抱えにするシナリオでは?』そしてJALの再生に株主として協力し一緒に再生していく為の、株主の連絡会(JAL株再生協議会)を組織した事を告知。マスコミで初めてJALの粉飾決算が表面化した。
原稿掲載紙:
プレジデント2010.12,13号20P
【株主への新株発行による再生】をJALの株主として提言。
株主顧客がJALの収益に貢献していた事の重要性を説く。



連載中の月刊誌;
月刊クオリティ
毎号JALの再生について著者が連載。粉飾決算や再生方法について独自の視点でで解説。6月号は再上場への疑念を徹底追及している。


 JAL再上場の粉飾決算を検証
     【粉飾決算の仕組み】
 航空機を買うだけで利益が出る仕組みで決算を粉飾して倒産。今度は、引当金マジックによる最高益で再上場。  
 会計と企業再生実務に精通した財務担当でないと判明出来ないカラクリである。殆どの国民や一般投資家は騙されるはずである。
そこで一般の人にも解り易い様に解説する。

引当金マジック」により粉飾された最高益







 「引当金」とは将来掛かるであろう経費を、前もって経費計上する事を言う。例えば、退職引当金や貸倒引当金などである。そして翌期に実際に使わなかった引当金は「引当金戻入れ」として利益に計上することが出来るのである。
 JALでは事業再構築引当金なる摩訶不思議な引当金を破綻後の10年3期に4623億円を一括して経費計上して1兆円の債務超過の決算を創った。翌11年3期には引当金4623億円の内の2298億円を引当金戻入れとして利益計上していると考えられる。この数字は管財人が東京地裁に提出した更生計画に記載されている数値である下記に掲載した【管財人が提出した財産評価に疑念】と【JALの更生計画】を参照。

 裁判所に提出した更生計画によると、11年3期は営業利益508億円となっている。これから引当金2298億円を控除すれば、▲1790億円の営業赤字(償却前)となり最初から営業赤字の損益計画であった。
 最高益との報道で言っている11年3期の1884億円は、計画していた508億円が1884億円になったと言っているのでから差引き1376億円に増収である。しかし、元々▲1790億円の営業赤字の計画だからこ増収分を加算しても▲414億円の営業赤字となる。これが本当の姿だと私は考える。

 この様に、引当金マジックを使えば巨額の架空損失つくり、翌期にそれを戻すだけで巨額の利益が出せるのである。この引当金マジックを使えば何の努力もせずに超V字回復に見せる事が出来るのである。この事から11年と12年は最高益とJALは発表しているが、引当金戻りによる粉飾決算と言われてもしかたない会計処理であろう。

 投資家はこの事を解っているから、
『5年連続10%の営業利益率を確保するから新株を買ってくれ』と言うJALに半信半疑なのであろう。 JALは、11年と12年の決算の詳細を公表すべきであり、仮に、引当金戻りを収益計上しているのであれば、その事を公表し、真実の決算を提示すべきである。



 破綻時までの粉飾決算の概要

JALは2000億円を超える巨額の粉飾決算の疑念があった。本来なら管財人が調査すべき所を追求せず、そのまま再上場しようとしている。以下に、旧株主として調査した粉飾決算の概要を記する。

(1)「航空機を買うだけで利益が出る仕組み」とは? 

1、定価で買って値引額を利益計上  
 ボーイング社のジャンボジェット機を定価200億円で買って値引きが30億円あったとする。帳簿には値引いた価格の170億円が資産計上されるだけであり利益が出る事はない。それをJALは定価200億円で買って、額30億円を営業外収益としていた。 

 2、定価以上で購入し、差額を利益計上  
 ジャンボ機200億円を定価以上の300億円で買って差額の100億円を利益計上していたのではないかと思われる。  
 JALは09年3期に航空機5機を1632億円で購入、1機平均326億円。同時期にANAは航空機18機を3056億円で購入、1機平均170億円。両社が買った航空機の種類等は類似している。(決算書を参照)
これは明らかにJALがANAの倍以上の金額で航空機を買ったとしか思えない数字である。

 3、航空機を子会社に高値で売却し、差額を利益計上  
 セールス&リースバックと言う仕組みをまず説明しよう。企業は資産のスリム化の為に自社の保有資産をリース会社に売却し、そのリース会社からその資産を借りてリース料を支払う。これがセールス&リースバックと呼ばれる仕組みで銀行系のリース会社が多数存在する。  
 JALは、例えば定価200億円の航空機を250億円でリース会社に売却し差額の50億円を利益計上していたと考えられる。(数字は推測)なぜ定価以上の金額でリース会社が買うのか?それは、JALが子会社としてリース会社を設立し、そこに売却しているからである。そうすると価格は何とでも付ける事ができえ得る。しかもケイマン諸島などに匿名組合そして設立しているのでよほどの財務知識がないと見抜けない。ちなみにこの匿名組合SPCは50社以上と思われる。   

 総括: JALはこの様に航空機を買って定価との差額を利益に計上するだけで利益が出る仕組みを利用して、経営合理化も本気でやらず、赤字続きで債務超過状態なのに、不要な航空機までドンドン買って決算書を黒字に粉飾していたのである。だから砂漠に捨てる羽目になるのである。  
 税務署はこの取引を許可していたのか?  いやそんな事はない。税務署は黒字であるから法人税を徴収出来るし飛行機の簿価が高くなった分固定資産税も多く取れるので文句を言わなかった。しかし、この会計処理が正しいとの税務通達は一切無い。   
『赤字になったら飛行機を買った架空利益で粉飾すればいい』 これは、実質的な粉飾決算である。脱税は警察から逮捕され牢獄行きだが、粉飾は投資家を騙す詐欺である。この粉飾決算に騙されて、銀行は融資をし、株主は株を買い、その金でJALは怠慢経営をしてきたのではないか?だから破綻したのである。粉飾決算こそ倒産原因である。そして最後は破綻処理にかこつけて税金3500億円を貪り喰ったと言われてもおかしくない企業体質ではないだろうか。 


【破綻直前の決算】
平成21年3期の決算書では純資産が、
1968億円もあり
自己資本比率11.2%
と記載されていた。
安定した優良企業としか見えない。これを信じて投資家は株式を購入した。


しかし、この決算から数ヶ月で破綻となり、資産1968億円が一転して一兆円の債務超過と管財人が算定。この債務超過を解消する為に100%が強行され株主は株式財産を紙屑にされてしまった。

この破綻処理は本当か?フェアなのか?
検証をして行こう。 
           
【管財人が提出した財産評価に疑念】
資産超過1968億円を債務超過1兆円と管財人は評価。これは4623億円の引当金と航空機の売買による2027億円粉飾決算がその主要因と考えられる。

引当金4623億円と粉飾決算2027億円等で恣意的に債務超過一兆円を演出したと言われてのおかしくない財産評価である。そしてこの恣意的に評価された債務超過解消の為に100%減資させられた株主は詐欺にあったと言われてもおかしくないのではないか。

 そして、この引当金4623億円を翌期以降に戻す(プラス計上)事によって架空の利益を計上出来るのである。そして、それは更生計画にちゃんと書いてある。

【JALの更生計画】
引当金4623億円を翌期に2298億円を戻して(架空利益計上)最高益を出したと、再上場を申請している。前述した様に粉飾実績のカラクリは更生計画に書いてある。



JALの過去の粉飾決算の概要は以下の通り。

【JALの粉飾概要】
JALは1993年
より2005年迄、航空機を買った値引額を利益として計上して赤字を黒字と粉飾した決算を続けて来た。それが機材関連報奨額である。
13年間で2027億円である


粉飾決算の始まりと終わりは?

【配当維持の為には粉飾決算が始まる】
1992年3期の業績悪化を黒字にして配当する為にB747
の2機を60億円で売却して20億円を利益計上して配当維持した。これが粉飾の始まりである。


予定では20億円の利益計上だった筈だが、いつのまにか140億円の利益計上に膨れ上がっている。粉飾決算が恣意的に巨額になり始めた。

【92年140億円の粉飾の真相】
B747の2機の簿価は63億円だったが、203億円で子会社に売却し140億円の利益を計上している。あまりにも高すぎる売却額が粉飾の証拠ではないか?

そして、粉飾額を増やす為に航空機を買いすぎて砂漠に捨てる羽目になったのか?

【粉飾の為に砂漠に捨てたジャンボ機】
1993年に133億円の機材関連報奨額が計上されているが、航空機を買うだけで利益が出る仕組みにより、航空機を買いすぎて砂漠に捨てたのか!!


1992年に配当維持という利益確保の為に航空機を売却するだけで利益がでる仕組みを使った(機材関連報奨額)粉飾決算が始まり、西松前社長が自白している2005年で終了した。13年間で2027億円の粉飾決算を行っていた事になる。

【西松前社長が粉飾を自白】
西松『航空機を購入した際値引きやリベートを利益認識していた』と粉飾決算を自白している。赤字を黒字にする事を目的に架空利益を計上する事を粉飾決算と言うのではないだろうか。2005年は484億円もの粉飾決算であろう。


この機材関連報奨額を使った決算を、監査法人も適法と記載していた為に、この粉飾決算は一般投資家には解らなかった。一般投資家は資産超過の決算書を信じ、株を保有し続け、最後に100%減資されて財産を略奪された。